Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://zen1022.blog108.fc2.com/tb.php/78-7a85b592

-件のトラックバック

-件のコメント

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

「デコイ」

久しぶりの更新。放置しっぱなしなのは気分が悪かったのと。
行動に余裕が出てきたので更新再開。
続けて更新していければいいなぁ…




たいていの問題は本人とは関係の無いところで解決してしまう。
本人の意思とは関係なしに。
本人の都合などお構いなしに。

サイドティアーズ:ためごろう
     『デコイ』

答えは得た。
ならばそれを実行に移すために迅速に行動すべきだ。

私とウェヌスは互いの推測が同じだったことから、その推測に確信を得た。
あのメイオウはアンデットではなく人形の類であると。
本体はあの大量の昆虫の1匹。

そしてその本体はメイオウの背骨に巣くっているであろうと。

足元で考え込んでいたウェヌスと目を合わせ、互いに肯くと急ぎ詩祈のいるであろう方向に向かう。
恐らくは、メイオウの攻撃を必死にかいくぐり時間を稼いでいるであろう詩祈の元へ。

心配をしていないといえば嘘になる。
最近は私自身認めざるを得ないほど彼女の技量は上がっている。
古参や熟練の冒険者達には未だ届かないではあろうが、彼女は確実にそこへの階へと足をかけている。
一握りの規格外の連中と比べてしまえば元も子もないが、経験と時を積めばそれにも届くと私自身期待している。
ならば、メイオウから生き残るだけならやってのけよう。
いくら両腕を怪我していようと生き残るだけならば容易くやってのけると信じている。

しかし何事にも不確定要素というものはある。
そこを心配しない親がいようか?
如何に血のつながりが無かろうが、私は彼女の名づけ親なのだ。
己が名づけた子に愛着がわかないわけがあろうか?
親が子を心配して何が悪い。
機から見れば親馬鹿全開の代表だが、その実その心配は紛う事無き本心であった。

「心配ですか?」
その様子を見て取ったのか、ウェヌスは代表の顔を覗き込みながらたずねる。
「私とて人の子だ、弟子を心配しないはずがなかろう?」
「弟子…でしたか。何はともあれあのでたらめな動きの理由がわかりました。それより急ぎましょうこのままでは幾ら彼女でもじり貧でしょう」
そういうと、彼女はふむふむと何か頷き詩祈との合流を促してくる。
私も頷くと今も戦っているであろう弟子の元へと駆け出した。



「じゃあ、後は任せたぜ」
蛍慈はそういうと幼い少女を置いて去っていってしまった。
それなりに広い執務室には私と私を見上げる少女二人きりになってしまった。
ふと彼女の方を見やると、無感情な顔でじっとこちらを見上げていた。
「あー・・・とりあえずジュースでも飲みますか?」
そう訪ねると、彼女はぱっと花が咲いたように笑顔を浮かべこくりと頷いた。

戸棚においてあるフルーツジュースを彼女に与え事実の確認を行う。
「つまり、君は記憶がなく。目が覚めたときには既に蛍慈の家だったと。彼の家以前の記憶はまったくないのですか?」
こくりと少女は頷く。
「まぁ身元は雪音さんが洗ってるのなら心配はないだろうが…、なんにせよ名前がないと不便ですね…何か希望などありますか?」
ふるふると首を横に振る。
ふむ、困りましたねなんとしたものか。蛍慈は確か…雪桜…ね。まったく蛍慈も惚気るなら別のところでして欲しいものだ…そもそも雪と桜など四季がバラバラではないか。
「・・・・あ」
そう考え込んでいる私に少女はふと何かに気づいたように顔を上げる。
耳を済ませてみれば、それは白の聖堂から響く賛美歌だった。
「歌…お祈り…」
歌…祈り…四季…
「君は歌は好きかい?」
少女はこくりと頷く。
「では、『しのり』というのはどうだい?」
そういいながら私は中空に魔力で『詩祈』と書いて見せた。
少女は首をかしげながらこちらを見詰める。
「詩は歌を意味するんだ。つまり歌い、祈る者って意味さ。ドミニオンにしては些か無垢な名前かもしれないが。なに真名が判明するまでの間だどうだろう?」
「しのり…しのり…」
「不満かい?」
小さくかみ締めるように名前をつぶやくのを見て不満なのかと思ったのだが…
彼女はぶんぶんと首を振り
「何か、懐かしい感じがしたの」
そういうと彼女は今日一番の笑顔を見せて微笑んだ。


その笑顔が彼女とダブってみえた。
似ても似つかない者同士が。
まったく違う状況で、まったく違う意味の笑顔で。

走りたどり着いた先にまっていたのは、事切れ倒れ臥している黒い大きな狼の頭蓋を縦に裂き、まるで卵から生まれた雛鳥のように茫洋と立ち続けている少女の姿があった。

「しの・・・り?」

その声に呼応するかのように。
私の記憶に重なってくるかのように、彼女は無垢に微笑んで見せた。
新雪の髪は黒く染まり。
白い素肌は血に染まり。
それでも彼女は微笑んだ。

真に無垢に、深を剥きに。

新雪の髪の白い素肌の無垢な少女の笑顔は、
漆黒の髪の血染めの肌の剥き出しの笑顔と同じだった。

「あらあら?今日は千客万来ですのね?」
鈴を転がしたような澄んだ声と共に、少女はおぞましい腐った脳髄の海から這い出してきた。
「あなたがたもわたくしに害をなすのかしら?」
そう言うと。笑顔のまま彼女はこちらに飛び掛ってきた。
そのせいか、反応が遅れた。
まったくのノーモーションから、殺気なく。突然フルスピードに飛び掛ってきたのだ。
それは極上の不意打ちだった。
とっさに魔力の障壁を出すが込める魔力が不十分だった。
ほんの僅か彼女の右手の威力を削ぐと、障壁は千々に千切れ去った。
代わりにと防ぎに差し出したロッドも砕きさられた。
そこで防ぎの手段は底を尽きた。
眼前に迫った無表情を見て取った瞬間右肩に大きな衝撃が走った。
ゴキリと大きな音が二つ響きながら私の意識はそこで途切れた。



自宅で研究作業をしていた私は自分のデコイが一つ消え去ったのを感じ取った。
「3番デコイが潰された?3番は今日は確か元宮で執務作業をする予定だったはずだが…まさか、詩祈か?」
そう思うと私は部屋の隅にある電話を使い元宮に問い合わせの連絡を入れることにした。

スポンサーサイト
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://zen1022.blog108.fc2.com/tb.php/78-7a85b592

0件のトラックバック

0件のコメント

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

Appendix

プロフィール

七崎詩祈

Author:七崎詩祈
暴走が暴走を呼び暴走に到る

走り突っ込み省みぬ。

この生き様を貴方にも

(C)2007 BROCCOLI/GungHo Online Entertainment,Inc./HEADLOCK Inc.
このページ内におけるECOから転載された全て のコンテンツの著作権につきましては、株式会社ブロッコリーとガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社および株式会社ヘッドロックに帰属します。
なお、当ページに掲載しているコンテンツの再利用(再転載・配布など)は、禁止しています

最近のトラックバック

FC2カウンター

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。